軽い旅から永住権。住んだからこそ分かる大事な空気感。
08 August 2021

サザンカリフォルニアからの動画配信で有名なPajimeさん。Pajimeさんのサーフィンやキャンプなどからは、アメリカのリアルな生活が垣間見えます。
CONCEPT
『小さな旅の記録~your solo trip~』<インタビュー連載>
"旅"をコンセプトに開発された「solo trip collection秋冬」のアイテム達を
記念して、新たなプロジェクトが始動。
otii®︎の理念に共感してくれた沢山のゲストに、
"旅"をテーマにお話を伺いました。
馴れ親しんだ日常から、ほんの少しだけ離れてみる。
たったそれだけで、そこには「小さな冒険」が溢れていました。
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Pajime |
軽い旅から永住権。住んだからこそ分かる大事な空気感。
ーーーーPajimeさんのYouTube動画を見ると、サーフィンの大会に出たり、高級ワインが気になったらナパ郡まで行ってオーパスワンを飲んでいたり、「気になったら即行動」という感じがします。昔からそういうタイプだったのでしょうか?
子どものころはそうじゃなかったですね。教育家庭というか、結構厳しい家で育ったと思います。学生時代は、地元で就職する一生を想像していました。高校生のとき、修学旅行でカナダに行きましたが、「自分が海外で暮らすとか」は考えていなかったですね。ただ、「海外につながる」というか、価値観の変化みたいなものは大学生のときにありました。
アルバイト先の中華料理店のオーナーが「ゆるい方」というか、「かっこいいけどちょっとダメな大人」という感じだったんです。
ーーーーそこでのアルバイトで、考え方などが少し変わったかもしれませんね。
「こういう選択肢があるんだな」と思いましたね。ちょっと憧れました。大学生のときに周りは就職活動をしていたのですが、自分はその影響もあってか、「逃げ」みたいな気持ちもあって、就職せずにアメリカに留学することにしました。
親の反対もありましたが、そのときは「留学」という大義名分で押し通した感じです。本当はただ遊びに行きたかったんですけどね(笑)。
ーーーーそのときに選んだのが、カリフォルニアだったんですね。行ってみてどうでしたか?
今から約20年前なので、カリフォルニアも当時とは違いますね。「なんとなくフラフラしても生きていけるな」という雰囲気が、今より確実にありました。何にも縛られず、楽しく生きていける雰囲気です。
昼間から酔っぱらっている変な人がいても、「それも普通」というか「許される」感じがしたり…。今はリアルな話、家賃も物価も上がっている。「変な人」も減ってきちゃいました。それはちょっと寂しくもあります。「自由の国」とは言いつつも、今は経済的にも「自由な感じ」は少ないと思いますね。けど変わらないのが、気候とか空気とかですね。カラッとしていて、とても気持ちいいんです。
ーーーーそこが気に入ったポイントですか?
サザンカリフォルニアの青い空はプライスレスですね。
友達と車でアメリカを横断したことがあるんですが、結局「カリフォルニアが一番」という結論になりました。何しろ、寒かった!
世界自然遺産でもあるイエローストーン国立公園に行ったのですが、メインのサウスゲートがちょうど入れない時期だったんです。
ただ、ノースゲートの近くでキャンプができたので、そこでキャンプをすることになって。マイナス10度とかの世界なので、俺らはヒートテックを何枚も着て、ダウン着て、たき火にあたってたんです。けど、たまたま近くでキャンプしていて仲良くなったデンマーク人は、全然違う。ジーパンにTシャツ、ジャケットで平気なんです。
夜も更けてくると一層寒くなるので、俺なんかは「早く寝たい」と思うわけです。
たき火も消えそうになったから「やっと寝られる」と思っていたのに、デンマーク人は「たき火用の薪の自動販売機があるよ」とか言う(笑)。
ーーーーそういう方々には、「そういう方々に似合う土地」というのがあるのでしょうね。しかし、体験してみないと、それは分からないですよね。
最初にカリフォルニアに来たのは、運が良かったのかもしれないですね。天気がいいところってやっぱり陽気な人が多い気がする。ハンバーガーなんか世界中で食べられるけど、サザンカルフォルニアで食べるのは、ちょっと違う感じもするし。
曇りが多いと病んじゃうかもしれません。
ーーーーただ気に入ったところに「実際に住む」となると、ビザの問題とかが出てきますよね。
留学中は学生ビザで滞在していました。カレッジを卒業した後はOPT(オプショナル・プラクティカル・トレーニング)という制度で合法的に1年間はアルバイトなどでも働けたんです。けど、いよいよそれも切れるってなったら、就労ビザが取得できる「正社員みたいな仕事」に就く必要がある。
なかなか難しいので、日本に帰ろうと思っていました。もともとそのつもりでしたし…。
ーーーーそれで、どうされたんですか?
就職先がたまたま見つかったんですよ。
実は留学中、たまたま隣に住んでいた女の子がロサンゼルスの日本人キャバクラみたいなところで働いていたんです。そしたら、そこに来たお客さんが「ウェブデザイナーを探している」という話になって、紹介してもらいました(笑)。
カレッジでウェブデザインを専攻していたんで、本当に運が良かったです。
ーーーーアメリカはビザが厳しくなってきましたよね。
そうですね。最初に働いていた会社も途中でなくなったので、また就職先を見つけて、就労ビザを得ましたね。
今では永住権もあるので、海の近く、サザンカリフォルニアの生活を満喫しています。留学してすぐに始めたサーフィンは、ずっと続けていますしね。アドレナリンが出るし、単純に楽しい。波に乗れた快感は最高です。
ーーーーそういう生活をしていると、「アメリカにどうやったら住めるんですか?」とか質問されることも多いとお聞きしました。
とりあえず「来ればいい」と思います。現地に来てから考える。とにかく行動することが大事なんじゃないかな。
俺だって最初はノリで旅をしたんです。決して前向きじゃなかった。けど、来てみたらこの場所がすごく気に入って、20年近く住んでいる。
全員が「サザンカリフォルニアが気に入るか」と言ったらそうじゃないと思う。
行動してみて、旅をしてみて、本当に気に入ったらそこで考える。サザンカリフォルニアに来なかったら、俺だって分からなかったですよ。