車の旅は自由の証
15 August 2021

サンドカラーのランドクルーザー80でキャンプをするtanakiさん。学生時代はバイクで国内をツーリングし、海外ではレンタカーを借りて旅をするそうです。
CONCEPT
『小さな旅の記録~your solo trip~』<インタビュー連載>
"旅"をコンセプトに開発された「solo trip collection秋冬」のアイテム達を
記念して、新たなプロジェクトが始動。
otii®︎の理念に共感してくれた沢山のゲストに、
"旅"をテーマにお話を伺いました。
馴れ親しんだ日常から、ほんの少しだけ離れてみる。
たったそれだけで、そこには「小さな冒険」が溢れていました。
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tanakiさん |
車の旅は自由の証
ーーーー「93年式」というちょっと古いランドクルーザーでのキャンプをインスタによく上げてらっしゃいますが、昔から自動車などに興味があったのでしょうか?
子どものころから、自動車やバイク、乗り物全般が好きでしたね。実家が四国の香川県で、家は山の中でしたから、親もホンダのCR-VというSUVに乗っていたんです。ランドクルーザーみたいな車は、特に好きでしたよ。
ただ、実家は自営業をしていたので家族旅行にはあまり行っていなかったです。自分もスポーツをしていたので、時間もあまりなかったですしね。
ーーーーでは、いつごろから旅に行かれるようになったのですか?
大学生になってからですね。友達が「バックパッカーになりたい」と言っていたので、一緒に旅してみたんです。最初はアメリカだったんですけど、グランドキャニオンで見た絶景が衝撃でした。しかも、途中で仲良くなった知り合いと、その景色を共有する楽しさまで味わってしまった。たまたま同じタイミングで来た知らない人だったのに、感動を共有できたことが忘れられなかったんですね。
ーーーー特に印象に残っている景色などはありますか?
国内だと北海道です。フェリーで小樽まで行き、そこから2週間かけて1周しました。野宿もしたり、ライダーハウスで安く泊まったりしながら、知床などの名所に行き、自然の景観を味わいました。
ただ、目的地だけではなくて、ツーリングの最中の「周りが自然で、ずーっと道」という景色もすごく好みです。
アメリカのルート66も、ずっと荒野でただ道だけがある。
そこを自分の車やバイクで移動していると、自由さを感じられるんです。
ーーーーそれで海外でも自動車で移動するようになったんですね。
もともとバスなどで移動するバックパッカーだったんですけど、途中から不自由さに耐えられなくなってきましたね。
友達に「水曜どうでしょう」という番組がすごく好きな人がいたので、「オーストラリアを縦断する」という同じような企画を実行したこともあります。
スタート地点ダーウィンで車を借りて、アデレードまで交代で運転しましたね。移動距離は、1日1400キロ。深夜まで運転しっぱなしです。
ーーーートラブルなどはなかったんですか?
実はレンタカーがぶっ壊れました(笑)。
オーストラリアのちょうど真ん中、エアーズロックに到着する前くらいで、シボレーの「コロラド」という車が動かなくなったんです。なんとか別の車を用意してもらったのですが、それがランドクルーザー。それ以降は安心でしたね。さすが世界のトヨタです。
ーーーーエアーズロックもちゃんと見られたんですね。
ずっと眺めていましたね。特に夕焼け、エアーズロックの赤土がさらに赤く染まると、まるで光っているような感じになる。色で言うと、オレンジと赤の中間くらい。太陽そのものが反射しているような感覚になりました。
ーーーーほかにも印象に残っている国はありますか?
一番はアイスランドですね。人の良さも、自分の求めている風景もあり、全部最高でした。
アイスランドもレンタカーを借りて、「リングロード」と呼ばれている国道1号線を1周しましたよ。国道ですが舗装されていないところがあり、オフロード感もあります。
運転していると美しい景観ばかりが目に入るのですが、中でも「セリャラントスフォス」という滝は素晴らしかったですね。
アイスランドには名所となる滝が多いのですが、ここは滝つぼの奥まで行けて、裏側から滝が見られます。しかも水の量がすごいので、水が乱反射して晴れた日に虹が出るんです。周りは大草原で、言葉が出てきません。
ーーーーアイスランドといえば、オーロラも有名ですよね?
8月下旬から9月上旬にかけて行ったのですが、9月にオーロラも見られました。この体験も「車ならでは」かもしれません。オーロラを探すために、3日間夜中に移動したんです。夕方くらいに仮眠して、深夜オーロラが出そうな方に車を運転していたら、ゆらゆらしているオーロラが出てきた!
3日間大変だったから、めちゃくちゃ感動しましたよ。見つけたときは車の中で叫びましたね。
ーーーーやはり自由に移動するのが、自動車旅行の醍醐味なんですね。
そうですね。結婚してからは、奥さんと北海道に行きました。大学生時代に体験した景色を一緒に見たくて…。飛行機だと数時間で北海道につきますが、自分の車で旅したくて、京都から小樽までは、フェリーで移動しました。
ただ、僕のランドクルーザーは乗用車の3ナンバーではなく、貨物自動車の1ナンバーです。1ナンバーだとフェリー代は直前まで分からないし、しかも出てきた値段も高かった。ヨーロッパの往復飛行機代くらいですよ(笑)。
ーーーーしかもフェリーだと20時間くらいかかりますしね。それを差し引いても、ランクルでの旅は魅力がありますか?
飛行機で北海道に行き、ホテルに泊まれば安く快適に過ごせるかもしれません。ただ、一見無駄に思えることこそが、旅の本質だと思うんです。
屈斜路湖でお気に入りのロッジ型テントを張ると、まるで家を移動させたみたいですしね。オレンジがかったレトロな「自分のテント」があるからこそ、屈斜路湖ではとても贅沢な感覚を味わえました。
さらに、ランドクルーザーみたいな車で移動すると、冒険に出ている感じもするんです。必要な道具はすべてお気に入りだし、自由に自分の時間を過ごせる。
僕は旅に「冒険感」を求めているので、「自由さ」は何より大事なんです。
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大学卒業後、広告代理店、通訳等を経てフリーライターに。著「【内田篤人】夢をかなえる能力」(ぱる出版)