山の友達は家族になれる。
14 August 2021

子どものころから運動嫌い。体育も運動会も敬遠していたたらしらさん。 現在山登りのインスタグラマーとしても活躍中ですが、今でも運動自体はあまり好きではないようです。
CONCEPT
『小さな旅の記録~your solo trip~』<インタビュー連載>
"旅"をコンセプトに開発された「solo trip collection秋冬」のアイテム達を
記念して、新たなプロジェクトが始動。
otii®︎の理念に共感してくれた沢山のゲストに、
"旅"をテーマにお話を伺いました。
馴れ親しんだ日常から、ほんの少しだけ離れてみる。
たったそれだけで、そこには「小さな冒険」が溢れていました。
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たらしらさん |
山の友達は家族になれる。
ーーーー現在、山登りの魅力を伝えるインスタグラマーとして活躍しているたらしらさんですが、昔から行動的なタイプだったのでしょうか?
いえいえ。高3くらいまではネクラだったんですよ。人とあまり関われない性格でした。子どものころから無趣味でしたし。一応学生時代は、部活でバドミントンをやっていましたが、それは「部活に入らなければいけないから、入っていただけ」という感じでした。
運動自体は今でも大嫌いです(笑)。
ーーーー今では月に1回は山に登っているとお聞きしましたが、きっかけは何だったのでしょう?
アウトドア系のアパレル会社に所属していたことがあって、それがきっかけで山登りをするようになりました。
最初はそこまでのめりこんでいる感じではなかったです。体力的にきついし・・・。徐々にですね。インスタも、もともと猫の写真がメインでした。
アメリカンカールとチンチラ。名前は「たらばがに」と「なましらす」です。
インスタの名前の由来でもあります。
けど、山登りを始めて1年くらいかな。テントを買ったことで、ちょっと変わってきた
気がします。
ーーーー「テントを買ったことで」ですか?
テント泊をするようになってから楽しくなってきたと思います。
必要だった荷物を整理して、いかに減らすのかを考えるのが楽しかったです。どんどん荷物を減らせるようになりました。
ーーーーなるほど。合理的な考えがお好きなんですかね。
それもあると思いますね。
山では個々が責任を持ちます。自分のことは自分でできるようにする必要があるし、「途中で下山する」という判断も、時には自分で行います。
そこが良かったんだと思いますが、それだけではありません。
「一緒に山に登る友達に会う」という理由の方が大きいと思います。
ーーーー山で知り合った友人は、他とはちょっと違いますか?
違いますね。つらいことを一緒に体験していると、うわべっつらだけじゃない関係になるんです。
家族みたいな感じでしょうか。悩んでいるときにも、きちんと話せたり。
最初はインスタで知り合うことも多いんですけど、何日もかけて苦労して登って、そのときにしか見ることができない景色を一緒に見ると、関係性が変わってくるような気がします。
ーーーースポーツのチームみたいですね。
一体感というものはあると思います。
学生時代にバトミントンをしているときにはまったくなかったのですが、不思議です。社会人になって、子供のころに体験しなかったことをしているところもあるでしょうね。自分にとっては、山登りという旅にある「自由さ」が心地いいですね。
誰かに強制されているわけでもないし、自然に集まっているからこそ、体験できる一体感です。
最悪、状況や体力によっては下山することも選択肢に入れていいんです。
その状況で、衣食住をともにしているし、登山中きついときには「頑張ろう」って励まされたり、荷物を持つのを手伝ってもらったりする。それで深い関係になるんだと思いますね。
しかもその先に絶景があるんです!
こういう体験を積み重ねて、山登りが大好きになりました。みんながいなかったら、辞めていたかもしれません。
ーーーー特にお気に入りの場所とかはありますか?
登山を始めて5年目くらいで行った富山県の雲ノ平ですね。
どこからアクセスしても10時間くらいは歩くし、目的地まで2日はかかりますが、それでも体験してほしい場所です。普通、標高が高いとことには水があまりないのですが、そこは水が豊富です。体を洗ったりできるくらいです。この山域はほかの山と違って草原のような道が続きますし、幻想的な風景が続きます。
ーーーーたしかに、日本じゃないみたいですね。
もともと評判の良い場所で、あこがれの地だったんですが、行ってみて感動しました。
雲ノ平に着く直前にスイス庭園という場所もあるのですが、ここもとてもきれいです。体力は今でもそんなにないのですが、「どうしても行きたい!」と思った場所ですね。
ーーーー登ってみたい山とかもありますか?
こちらも人気なのですが、来月あたり槍ヶ岳にも行ってみようと思います。危ない崖を登るような岩々しい雰囲気なので、雲ノ平とはまた違った体験ができると思ってます。
ーーーー山登りを通じて、かなりアクティブになった感じですね。
たしかに運動なんて、学生時代はできればやりたくなかったですしね。
体育の時間は、「できないことが目立つ」ので、大嫌でした。そもそも「やらされる」っていうのが耐えられなかった。
今はチャレンジ精神が少しはあるんじゃないかな。
けど、本質的な性格はそれほど変わってないと思うんですよね。
ーーーー例えばどういうところでそう思いますか?
山でのペース、歩く速さは人それぞれです。おそらく学校みたいに「人に合わせなくちゃ」という感覚が入ってきたら、続けていないと思うんです。みんな、身長も体力も違うから、合理的に考えれば、ペースは違っていい。
ーーーーそういう考え方が、体育とは違いますよね。
合理的な部分と、自由な部分。あとは仲間との一体感が全部入っているのが登山だと思います。
ーーーーインスタのお写真からもいろんな魅力を感じます。
写真に関しては、フィルムカメラを持っていく場合があります。
合理的に考えると「軽くて小さい」から。けど、本当はあとで見返したときに、予想外のものが写っていたりして楽しいんです。
そういう余白とか、適当さが私の好みです。
[ GUEST ]
NAME : たらしら
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[ INTERVIEWER / WRITER ]
NAME:HWANG
TWITTER: @juan1979
AGE : 42
AREA : CHIBA
JOB : FREELANCE WRITER
PROFILE:
大学卒業後、広告代理店、通訳等を経てフリーライターに。著「【内田篤人】夢をかなえる能力」(ぱる出版)