圧倒的、白。色とデザインにこだわりぬく、大人のキャンプ。
18 August 2021

「あの“白いインスタの人”ですよね?」、キャンプ場でそう声がかかるほどの白いアイテム群。徹底的にデザインと効率を重視した結果、得られたのは極上の遊び場だった。
CONCEPT
『小さな旅の記録~your solo trip~』<インタビュー連載>
"旅"をコンセプトに開発された「solo trip collection秋冬」のアイテム達を
記念して、新たなプロジェクトが始動。
otii®︎の理念に共感してくれた沢山のゲストに、
"旅"をテーマにお話を伺いました。
馴れ親しんだ日常から、ほんの少しだけ離れてみる。
たったそれだけで、そこには「小さな冒険」が溢れていました。
![]() |
白いキャンプ道具で徹底的に統一されたキャンプサイトで知る人ぞ知るキャンパー。本業がエンジニアであり、色やデザインだけではなく、効率や面白さを重視する最先端の大人キャンプ。 |
圧倒的、白。色とデザインにこだわりぬく、大人のキャンプ。
ーーーーずらりと並ぶ、純一無雑な白。サイトでも目を引く”白キャンプ”スタイルを貫く白カズさん。なぜこんなにも、“白”にこだわっているのでしょうか。
キャンプを始めたのは10年前。当時は道具にもこだわりはなく、子どもたちの思い出づくりが目的でした。育児が落ち着いた3年ほど前からソロキャンプを始め、同時にInstagramにキャンプシーンを投稿するようになりました。
そんななかで、手持ちの白いバーナーやランタン、ホーローのポットなどを並べた画像を投稿すると、軽くバズりまして。「白が素敵」「色の統一感最高」というコメントをいただいたことをきかっけに、白ギアの収集欲が芽生えたんです。
ところがいざ集めはじめると同じ白でも微妙に色が違うんですよ。「これは求めている白じゃない」なんて思ってしまったら燃えるタチでして、さらにこだわった道具選びに突き進むことになりました(笑)。
ーーーー見たこともないような白いキャンプ道具が揃っていますが、どうやって探しているのでしょうか。
なるべくユニークなものを使いたいので、海外通販が多いですね。YETI(US発のクーラーボーックス)も、まだ日本に代理店がない頃に個人輸入しました。
それに通販サイトのいいところは、色で検索ができること。私はWEBエンジニアなんですが、以前仕事で色検索を実装したときは、「こんな機能、ユーザーは使うのかなあ」なんて思っていましたが、まさか私自身がヘビーユーザーになるとは思ってもいませんでした(笑)。
色検索すると、用途検索よりも他人が使っていないアイテムや、自分の想像を超える道具と出会えます。
ーーーー色だけではなくデザインにも統一感がありますよね。
そうですね。私が選ぶ道具の基準は、色が“ちゃんと白”で、モダンなデザインである、というところです。
ーーーー“ちゃんと白”とは?
適当に集めた白い道具を並べると、グレーっぽい白とかベージュ系の白とか色の違いはもちろん、テクスチャーの違いも歴然で。微妙な色の違いがあるぐらいならいっそ違う色がいいと思ってしまうんですよね。基準はYETIの白いクーラーボックス。本当に綺麗な白です。でも実は同じメーカーのギアコンテナは微妙に色が違っていて、、、それは許容範囲にしています(笑)。
昨今のキャンプは「不自由を楽しむ」側面があるので、ビンテージテイストのものが流行っているように思います。でも不自由を楽しめるのは非日常だからであって、私にとってのキャンプは日常であり、日常だから不自由なく楽しみたいんです。“不便”よりも“便利”なほうがいいし、ロウソクに火を灯すよりスイッチひとつで明るくしたいんです。なので、道具もなるべくモダンテイストで統一しています。
ーーーーそんななかで、必ず持っていく道具はなんでしょうか。
すべてのギアの基準になっている、YETIの白いクーラーボックスは必ず持っていきます。最初は「クーラーボックスが3万円!? そんなに!?」と思いましたが、丈夫で使いやすく、なにより存在感があるので、永く使えてコスパ十分です。
寝袋にもお金をかけました。というのも、以前「限界温度ー4℃」というスペックの寝袋を買ってみたのですが、外気温が5度にも関わらず寒さで一晩中眠れない経験をしたんです。それで奮発してエクストリーム仕様の寝袋を買ってみたところ、真冬でも暖房いらずで本当に暖かくて!北海道のー20度ぐらいの夜でも平気で眠れたし、万が一暖房器具が故障しても困る心配がありません。命を守ってくれる、本当に大事な相棒です。
ほかには、映画鑑賞の時間も大事にしています。
実は毎週仕事終わりに映画館へ通うぐらい映画が好きで、キャンプ場ではAnkerのモバイルプロジェクターでよく観ています。テント外にセッティングして焚火を囲みながらみんなで鑑賞するのも楽しい時間ですね。
あとは、まだあまり使っている人がいない、NY発のブランドBEST MADEの食器や、Bluetoothでスマホと連動して粉や湯の量を正確に測ってくれるスマートコーヒーメーカーのGINAが最近のお気に入り。そして重要なのは電源。ポータブル電源のPwerArQがあればスマホの充電やサーキューレーターはもちろん、、その場で炊飯器でご飯を炊くこともできますから。
ーーーーやはりご飯は、飯盒ではなく炊飯器なんですね。
昔は飯盒炊飯をしていましたが、やっぱり面倒なので。もっと言うと、本当はUberしたいんですよ(笑)。もう閉鎖されてしまいましたが、とある駅前にキャンプ場がありまして。駅ビルや飲み屋街、映画館が周辺にある環境なんです。昼間は飲み屋に、夜は近くのレストランで出前を頼み、朝起きたらマックへ行く……なんてことができたんですよね。あれは私の理想のキャンプでしたね(笑)。
ーーーー人によってはキャンプめしが一番楽しみ、というかたもいますが、白カズさんの場合はそうではなく。
私は毎週キャンプをやっているので、そこに“非日常感”はなくて。屋外で食べるご飯も、大自然に囲まれた環境も日常の延長なんですね。
そんななか唯一違うのは、出会うひとたちなんです。だから、“出会い”が一番の楽しみといえます。
同じ趣味を持った人と話す時間が好きで、その時間をなるべく多く取れるよう、設営したりご飯を作ったりする時間をなるべく削れるようにしています。
そこで出逢った住む場所が違うさまざまなひとたちと、共有できる“いま”を、大事にしたいなあと思っています。そうやって、年齢性別限らず、“ひと”として付き合えるのが、キャンプの良さですよね。
ーーーーそれはコミュニケショーション能力の高さゆえにできることですね。
これまで初対面の人と話すのが苦手だったのですが、キャンプという共通の趣味をもった人とはすんなり話すことができて。
これは良い治療法だと思って、キャンプへ行くたびに隣り合った人たちや気になるテントを持っている方には積極的に話しかけるようにしようと決めました。それからは本当にたくさんの方と仲良くさせていただいてます。
そうやってコミュニケーションの輪が広がっていき、知り合った方たちと一緒にキャンプしたり、ときにはその出会いが仕事につながったり、本当にたくさんの良い仲間と出会うことができました。人とのつながりは大切だと感じています。
ーーーー最後に、徹底的にハマり尽くす白カズさんにとって、“旅”とはなんでしょうか?
いい男になるためのExperience、経験でしょうか(笑)。旅のスケールに関わらず、たとえ同じ場所であっても常に新しい発見や出会いがあります。そうやって時間を経験に変えていく事が良い歳のとり方だと思っています。経験しないまま歳を重ねると、薄っぺらい男になってしまうのではないでしょうか。
キャンプには、そんな旅がたくさん詰まっています。
[ GUEST ]
NAME : 白カズ
INSTAGRAM : @kazsh
[ INTERVIEWER / WRITER ]
NAME:有山千春
AREA : TOKYO
JOB : FREELANCE WRITER
PROFILE:制作会社、出版社を経て2011年よりフリー。主に週刊誌、月刊誌、書籍構成。行くなら最果てと、猥雑な小路。