カフェを巡ればその土地が分かる。
22 August 2021

長野のカフェ巡りが好評のインスタグラマーRYOTAさん。現在、ほぼ毎日カフェに通っていると話しますが、カフェ巡りには旅のエッセンスがつまっているようです。
CONCEPT
『小さな旅の記録~your solo trip~』<インタビュー連載>
”旅”をコンセプトに開発された「solo trip collection秋冬」のアイテム達を
記念して、新たなプロジェクトが始動。
otii®︎の理念に共感してくれた沢山のゲストに、
”旅”をテーマにお話を伺いました。
馴れ親しんだ日常から、ほんの少しだけ離れてみる。
たったそれだけで、そこには「小さな冒険」が溢れていました。
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RYOTAさん |
カフェを巡ればその土地が分かる。
ーーーーインスタのお写真を見ると、エモくて優しいお写真が多いですね。もともと幼稚園の先生をしていらっしゃったとお聞きしましたが、それは関係しているんでしょうか? 優しさが写真から伝わります。
ありがとうございます。3月まで幼稚園の先生をしていましたが、それは「人に教えることが好きだった」という理由なので、写真への影響は分からないですね。けど、うれしいです。
僕は「昔ながら」や日本の原風景とかが好きで、写真にはそういう要素も多いと思います。
ーーーークリームソーダなどの写真もその要素がありますよね。
昔から、甘いものとか好きでしたしね。両親もお菓子とか好きだったので、その影響があるかもしれません。
クリームソーダに関しては、キャンプに行ったときにも作りました。炭酸メーカーを持っていって、現地で作ると楽しいんです。わざわざキャンプで作ると、子どものころに友達と秘密基地を作って、駄菓子を食べた感覚になります。
田舎の集合住宅に住んでいたので、周りに森とか林とかがけっこうありました。だから仲の良かった友達と、ちょっとした森に行って探検をしたりしましたからね。それだけで当時は大旅行でした。
けど、小学校の低学年くらいに野球を始めてからは、高校生くらいまでは休日も野球漬けでしたので、あまりのんびりしていた記憶はないですね。子どものころは、部活もあって旅行とかもあまり行けなかったので、今はその反動があるかもしれません。
ーーーー子どものころにできなかったことをやっている感じですね。
今は幼稚園で働いていたときよりも、時間ができました。ほとんど毎日カフェに行っていますね。
長野県の各地を巡っているのですが、地域ごとに特色がありますよ。
ーーーーたとえばどういう特色が感じられますか?
長野市と松本市のカフェの違いですと、長野市のカフェの多くは独自スタイルというか、それぞれの個性を重視したものが多いです。
新しいものを取り入れることも多くて「長野市の自由さ」みたいなものが出ています。
松本市は、松本城があるからでしょうか。昔の雰囲気を残したものが多いんです。古い木材を使ったカフェとか。
ーーーー古民家カフェみたいな感じが多いんですか?
はい。松本市ですと、先日行った「coudo(クド)」というお店はとても印象的です。
旧四賀村地域にありますね。
古民家カフェと聞いていたのですが、想像以上に「古民家」でした。
ーーーー「古民家風」とかじゃないんですね。
スタジオジブリの世界に入ったみたいですよ!
画面で見ていた場所に、実際行ってみたようなワクワクがあります。
天井を見ると、蜘蛛の巣があって、そこに虫も引っかかっていたりする。
ーーーーなるほど。「古民家風カフェ」じゃなくて、「古民家カフェ」なら、蜘蛛の巣がないと逆におかしいですもんね。それがスタジオジブリの世界に入れる要因な気もします。
それにお店の方の対応も、その古民家の雰囲気に合っているんです。
暖かいっていうか、気さくっていうか・・・。
そういう雰囲気だと何度も通いたくなります。
ドーナッツやピザも出しているんですが、卵とか白砂糖を使っていないのに、甘みやうまみがあって感動しましたね!
雰囲気含めて、想像を超えていました。
ーーーー松本市よりさらに北、安曇野市に行くと、また変わりますか?
安曇野は「大人」というか、そういう雰囲気がします。
長野市のようにちょっと都会的な感じじゃない。
建物が少ないし、お店も広く感じます。けど「田舎」という言葉とも違うし、松本の「歴史ある町」という感じでもない。
「インスタとかも熱心にはやらないよ」というか、そういう雰囲気があるんです。
たとえば、安曇野の自然の中にあるオリカカフェさんなんかは、子どもとペットはNGです。
ーーーーカフェでそれは珍しいですね。
だからこそ、そこには「上質な時間」というものがあります。
そもそも、コーヒーとかカフェって、子どもはそれほど好きではないと思うんです。
その本質的なところというか、「単なるおしゃれ」ってだけじゃない感覚が素晴らしかったです。本来の田舎というか、静かな「大人の休憩所」という感じです。
ーーーー幼稚園で先生をしていたRYOTAさんだから分かる感覚かもしれませんね。子どもの世界と大人の世界の差みたいなものでしょうか?
子どもの世界っていうのは確実にありますよね。
4歳や5歳の子どもは、親とか先生とかに知られたくない「子どもの世界」で遊んでいます。
たとえば、ある男の子たちが「キャンプごっこ」をしていたんです。実際にキャンプを体験していたのは一人だけなのですが、みんなでアイデアを出している。
「たき火って何?」とか話している子もいるんですが(笑)、ある子どもは「お皿がないと駄目だよ」と言ったりしていていました。邪魔しないように、ある程度離れていたところで見ていたのですが、あの子たちの中では、おそらく旅に出ていたんだと思いますよ。
ーーーー「遠くまで行くだけ」が旅じゃないんですね。
そう思います。カフェを巡ると、旅のエッセンスがつまっている感じがします。
古民家カフェで「別世界を体験する」感じも得られますし、クリームソーダを飲むと「子どものころに戻る旅に出た」ような気もします。
僕にとってそれが楽しいんです。
[ GUEST ]
NAME : RYOTA
INSTAGRAM :@ryota1017r
AERIA : nagano
[ INTERVIEWER / WRITER ]
NAME:有山千春
AREA : tokyo
JOB : free lance writer
PROFILE:制作会社、出版社を経て2011年よりフリー。主に週刊誌、月刊誌、書籍構成。行くなら最果てと、猥雑な小路。